お役立ちコラム

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五十嵐茂樹の情熱塾〜プロ店長養成講座【第1部】

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第1部 店長の責任と職務
Manager 3responsibility 8jobs

店長として成功するためには、店長の仕事を完全に理解し、把握するかどうかで決まります。具体的な仕事内容を理解しないまま、ただ単に一生懸命に努力する人がいますが、その方向を間違えると成果もそうですが、お客様や会社に多大な迷惑をかけることになります。
これから説明する、店長の仕事は、店長の仕事の方向性を導き出し、自分が何をしなくてはならないのかを明確にしてくれます。まずはそのことをよく理解することです。

イントロダクション

お店は店長ひとりで決まります。

もちろん店長ひとりですべての業務がこなせるわけではありませんが、店長ひとりの力で、そのお店が繁盛することもあれば、逆に、営業不振にもなってしまうこともあるということです。
これは個店であろうが、チェーン店であろうが関係なく起きている現象です。
私は、そんな店長の力によって大きく変化した実例をいくつも見てきました。
もちろんお店の盛衰のすべてが店長に起因しているわけではありませんが、店長の仕事振りで大きく売上と利益の額に差が出るのは確かです。
それは最後は現場の戦いで、その現場は店長を中心としたお店の人たちの力で状態も数値も大きく変わってくるからです。
これからは、今まで以上にそんな店長の力の差がはっきりする時代に突入します。

市場も、競合から競争になり、そして、今や競争から大競争時代です。
そんな大変厳しい時代ですが、厳しい時代だからこそ店長の努力の差がはっきりと結果の数値として出る素晴らしい時代でもあります。
大競争時代の一番の特徴は、お客様が自由にお店を選ぶということです。
当たり前ですが、お客様から選ばれたお店が繁盛店になり、お客様から選ばれなかったお店が不振店になってゆきます。そして、その格差も年々広がってゆきます。
だから今までのような単なる勝ち組、負け組といった勝負の世界から、生き残り組みと、そして、市場から退場を命じられる死に組みとに分かれてきます。まさしく市場はサバイバルな時代です。しかし力のある店長にとっては、自分の力次第で大きな成果を実感できる時代でもあります。
それは現場を変えることで数字を変えることが出来るからです。

4つのC

店長の仕事を理解する

店長として仕事で成功するためには、まず自分に与えられた責任と、その仕事の内容を完全に理解することです。
それは、責任が明確になることによって具体的な仕事の内容がはっきりし、そして、それを果たした時に、果たしたという行為に対して支払われるのが本来の報酬だからです。
だから単に日々長時間働くことで、店長の責任を全うしたことには決してなりません。

しかし、店長の責任を完全に理解しないまま、日々漫然と過ごしている店長が実に多くいます。
だから問題意識が低く、そして、店長としての責任感覚や数値感覚が欠如し、自店を繁盛店へと導くことが出来ないのです。
この店長の具体的な責任と仕事の内容についてはあとで説明するとして、その前に店長としてもう一つ理解しなくてはならないことがあります。
それは、お店は店長一人で決まるが、店長一人の力で店舗運営が行えるわけではないということです。
お店の力とはあくまでもそこで働く人たちの仕事ぶりの結果であり、店長はその人たちの力を結集し、そして、ご来店頂いた全てのお客様に満足していただくことで結果としての売上と利益の責任を果たす人です。
つまり店長とは、部下を通じて自己の責任を果たす人と言うことで、逆に、店長一人の働きでは自己の責任を果たせないということでもあります。

仕事の成果は積上げ算

我々の仕事は、一人ひとりの、それも、一つひとつの作業の積上げ算です。つまり、一人ひとりの、一つひとつの作業を足したものがお店の力になると言うことです。
お店の力とは、そんな全員の集積された作業の積上算で、こと積上算の質を高めなければお店が成長・発展することも繁盛店になることもありません。つまり、部下一人ひとりの仕事振りが自分自身の責任になり、そして、その一人ひとりの作業の出来栄えがお店の業績をも決定すると言うことです。

それは、人を採用し、教育し、そして良いオペレーションを指揮することで、ご来店いただいたすべてのお客様の満足を得るということでもあります。
だからお店で働いている一人ひとりの身だしなみやあいさつ、それに、一つひとつの作業の出来栄えをカイゼンすることが店長にとって何よりも重要な仕事になってくるのです。
これを行わない限り、お店が成長発展することも、お店が繁盛することもありません。

これしか方法がないのです。

理論武装と実践行動

いまだに雰囲気と感覚、そして、精神論と抽象論だけで仕事をしている店長が実に多くいます。それでいて、業績が悪いのに同じ対策を繰り返しています。

もちろん、ガンバリズムも重要ですが、新たな知識を身につけないで、ただ単に一生懸命に努力するだけでは到底今の時代を乗り切ることは出来ません。
そこで必要になってくるのが、お店を成長発展へと導くための新たな知識と、そして、その身につけた知識を活かし成果を挙げるための行動です。
このことを理論武装と実践行動と言います。
この理論武装と実践行動を繰り返すことで、店長としての真の実力を高めることが出来るのです。しかし、新たな知識を学ばないで同じことを繰り返している人に、新たな知識を学んでもそのことを実践しない人が多くいます。

これだから売上が悪いのです。売上が悪いのは、何も景気が悪いわけでも、競合店が出来たためでもなく、一番の原因は、自分自身のスキル不足と、実行力不足に起因しているのです。

全てはサイクル活動!

理論と実践 ↔️ 実践と理論

課題と振返り ↔️ 振返りと課題

座学と現場のサイクル活動

店長3つの責任

お客様に対する責任
※事前期待を超える価値の提供!

会社に対する責任
※売上と利益の予算を必達!

部下に対する責任
※仕事を教える、労働環境を改善する!

お客様と組織の逆三角形

お客様に対する責任

事前期待を超える価値の提供
お客様の感動を得ること
お客様に感謝されること

価格と価値の最大化

進化する店づくり

会社に対する責任

売上と利益の予算を必達すること

売上は ⇩ ⇨ ↗️
経費は ⇧ ⇨ ↘️
利益は ⇩ ⇨ ↗️

売上を伸ばし利益を伸ばす!

売上を伸ばし利益を伸ばす

部下に対する責任

教育訓練と働き方改革
採用⇨教育⇨定着⇨戦力

人を採用し、人を教育し、常に体制を整える!

次に、その人を定着させ、戦力をアップする!

これにより、お客様の体験価値を高める!

結果として、人気の蓄積と成長発展を図る!

併せて、労務環境を整備し、人を増やす!

採用教育定着戦力のサイクル

店長8つの職務

職務要約

店長の仕事は、ご来店いただいた全てのお客様の満足と感動を得ることを適正な経費で持って運営することです。そして、その結果としての売上と利益の予算を達成することにあります。

そのためには、8つの職務をよく理解し、確実にその実践に当たらなくてはなりません。それは、8つの職務が相互の関連しあいながら存在するからです。そして、その8つの相乗効果で全ての問題と目標が達成されます。

店長8つの職務(Jobs)

1.オペレーションの指揮

2.各種経費のコントロール

3.教育訓練の実施

4.プロモーションの展開

5.働く環境の整備

6.衛生と資産の保全

7.クレーム事件事故の対応

8.不断の改善と提案

職務明細

主要業務職務内容計画と行動
1.オペレーションの指揮
  • オペレーションの指揮を執る
  • オペレーションを指揮することで、ご来店いただいた全てのお客様の満足と感動を得る

稼働計画
目標管理

2.各種経費のコントロール
  • 月次・週次・日次での数値分析
  • 各経費のムダ・ムラ・ムリの発見と退治
  • 収益性の向上と生産性の向上
PL分析
目標管理
3.教育訓練の実施
  • 教育計画と実行
  • 個別面談と各種レビュー
  • 朝礼ミーティングの開催
教育計画
個人面談
朝礼MT
4.プロモーションの展開
  • マーケティングカレンダーの作成
  • キャンペーンやイベントの企画実施
  • 法人営業・各種ネット販促の企画実施
  • 地域活動への積極的な参加
年度計画
カレンダー
5.働く環境の整備
  • 労働法規の順守(コンプライアンス)
  • 就業規則・ハウスルールの徹底
  • 働く環境の整備(働き方改革)
  • 各種仕組みや制度の導入
常時
6.衛生と資産の保全
  • 個人の健康管理と衛生管理の徹底
  • 食材管理と食品衛生の徹底
  • デイリーメンテナンスの実施
  • クレンリネスの徹底と資産の保全
常時
7.クレーム事件事故対応
  • クレームの確実な対応
  • 事件事故の確実な対応
  • 緊急時の陣頭指揮
  • 報告・連絡・相談
常時
8.不断の改善と提案
  • 不断の改善
  • 改善提案
常時

1.オペレーションの指揮

店長の責任の1番は、当然ですがお客様に対する責任です。これは仕事の目的遂行であり、社会にお客に立つと言うことでもあります。
このお客様の満足と感動に対する責任を果たすためにすべきことが、オペレーションの指揮です。

それは、オペレーションの目的がお客様の満足と感動を得ることだからです。
しかし、このオペレーションをしっかりと出来ているところが少ないのです。だから売上が悪いのです。
だから売上高が悪いのです。売上高が悪いのは、何も景気が悪いわけでも、競争相手が増えているのが原因でもありません。
一番の問題は、お客様の満足と感動を得るオペレーションが出来ていないことにあります。

繁盛店と不振店

2.各種経費のコントロール

店長の責任の2番は、会社に対する責任です。つまり、売上高と利益の予算を達成することです。
そのためにすべきことが、各種経費のコントロールです。
それは、予算と実績を一致させることでもあります。

店長それは
数値請負人

3.教育訓練の実施

店長の責任の3番は、部下に対する責任です。
それは仕事を知らないお店の人たちに仕事を教え、そして仕事の楽しさを教えることで、お店で働く人たちに良い仕事をしてもらうことです。
そこですべきことが、日々店舗で行われている教育訓練です。

店長の仕事は部下に仕事を教え
仕事でコミュニケーションをとることです
On-the-Job Training
On-the-Job Communication

4.プロモーションの展開

店長には、預かったお店を繁盛店へと導く責任があります。
これは店長にとって最も難しい仕事になってきますが、これが出来る店長こそがプロフェッショナルな店長と言えます。
そのためには自らの力でお客様を作り続けることです。

そこですべきことが、プロモーションの展開です。

お店を繁盛させる3要素

5.働く環境の整備

店長には労働環境を改善しお店の人たちに楽しく働いてもらう責任があります。
そして、人の定着率を高め、人を増やさなくてはなりません。
そこですべきことが、働く環境の整備です。

店長の力次第で労働環境も改善されます

6.衛生と資産の保全

店長には、食品衛生とお店の魅力度を保つ責任があります。
食べ物による健康障害は絶対に起こしてはなりません。
常に、お店の資産を管理し、常に魅力的な状態を維持する必要があります。
そこですべきことが、衛生と資産の保全です。

お店の魅力度を維持してこそ
競争に打ち勝てます

7.クレーム・事件事故の対応

店長には、店舗内で発生するクレームや事件事故に対応する責任があります。
これはお客様への最終責任者が店長になるからです。
特に我々の仕事は、現場で商品を調理し販売しているために、商品に対するクレーム対応とサービスに対するクレームはお店の信用問題に関わってきます。
そこですべきことが、クレーム・事件事故に対する対応です。

しっかりした知識を身につければ
十分に対応できる仕事です

8.不断の改善と提案

店長には、不断の改善と提案に対する責任があります。
それは、現場の最終責任者として、お客様の満足と、それにお店で働く従業員の意欲の向上、そして生産性の向上を図るためです。
そこですべきことが、不断の改善と提案です。

夢への挑戦


謝辞
故五十嵐茂樹氏の生前のご厚意に深く感謝いたします。
また五十嵐由美子様におかれましてはテキストの提供ならびに掲載の許可をいただきましたこと、厚く御礼申し上げます。



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