五十嵐茂樹の情熱塾〜プロ店長養成講座【第3部】
第3部 スタンダードとマネジメント
Standard & Management
次に、その責任を遂行する上でのスキル(職能)を身につける必要があります。
それは、店長としての責任と仕事の内容を理解しただけでは、その任務を全うできないからです。
そして、もう一つ大切なことに、スタンダードとマネジメントと言うものがあります。
そのスタンダードとは、仕事に対するこだわりであり、仕事の基準になるものです。
そしてマネジメントとは、それらを実現するための店長にとって最も大切な仕事になってきます。
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スタンダードとは
スタンダードとは、店舗運営基準のことです。
店舗の状態を表した基準が、Q・S・Cのスタンダートで表現され、経営の状態を表した基準が、数値のスタンダードです。
つまりスタンダードには状態と数値の2種類のスタンダードがあることになります。
もちろん、そうすると店舗の運営課題も、Q・S・Cの状態目標と各経営数値の数値目標があります。
しかし、スタンダードはあくまでもその年の最低基準です。
スタンダードは毎年上がり続けます。
その理由は、お客様の満足度が年々高まることと、経営環境の変化です。
継続的な売上や利益の成長を可能にするためには、このスタンダードを上げ続けることです。
Q・S・Cの状態目標
Quality 「決められた品質で提供します」
- ランチは10分以内、ディナーは12分以内で提供します。
- お子様は先に提供し、その他は、同時同卓に提供します。
- 暑いものは熱く、冷たいものは冷たく提供します。
- 盛り付けにも注意を払い、見た目の美味しさも大切にします。
- 全ての仕込品には必ず食材管理票を使います。
- キッチン作業者は必ずネットを着用し、髪の毛は出しません。
- こまめな手洗いと健康チェックは必ず行います。
Service 「お客様をお待たせしません」
- ユニフォームは決められた通りに着用します。
- 頭髪は基準に従い、決められた通りに整えます。
- 明るく元気よく「いらっしゃいませ」「ありがとうございます」を言います。
- お客様の入店にはつねに注意を払い、お待たせすることなくご案内します。
- オーダーを呼ばれた場合は、すぐに伺います。
- すぐに伺えない場合には「はい、ただいまお伺いします」とお答えします。
- 手が空いたら客席をラウンドし、中間バッシングと追加の注文を伺います。
- 最後のお会計もお待たせすることなくスピーディーに対応します。
- 常に笑顔は絶やすことなく業務に当たります。
Cleanliness「お店を磨き続けます」
- 駐車場は2時間に1回チェックし、雑草やゴミは絶対にありません。
- 入り口のガラスは常に磨き、手あか、くもりは絶対にありません。
- トイレは30分に1回はチェックし、濡れ、ゴミ等はありません。
- ハンドソープやトイレットペーパーは必ず補充します。
- 行く先々でゴミが落ちていれば必ず拾います。
数値目標
※参考例(勘定科目別 目標数値)
売上高 | 売上予算と売上前年 | 100%達成 |
店舗利益高 | 利益予算 | 100%達成 |
荒利益率 | 理論差 | -0.5%以内 |
人件費 | 人時来客数標準差 | +0.5以内 |
コントロール経費 | 客用/店用 消耗品計 洗剤費 食器費 クリーニング | 1.2% 0.3%以内 0.5%以内 20(千円)以内 |
水道光熱費 | 水道費/ガス/電気料 | 標準比5%以内 |
KPI 【Key Performance Indicator】
キーパフォーマンスインディケーター
重要業績評価指標
5つの注意点
- 目標の達成度合いを計るための定量的な指標であること。
- 目指すべきゴールを全員が共有できる指標であること。
- 取組課題の進捗確認を出来る指標でもあること。
- 指標が多過ぎるとぼやけるので数個程度にすること。
- KPIは、業務レベルに合わせて年度毎に変更すること。
Principle System
原理原則
Sales Building And Profit Building
売上を伸ばし利益を伸ばす!
謝辞
故五十嵐茂樹氏の生前のご厚意に深く感謝いたします。
また五十嵐由美子様におかれましてはテキストの提供ならびに掲載の許可をいただきましたこと、厚く御礼申し上げます。