第7部 その他コスト
Sales Cost Control
一つひとつは大きな経費ではありませんが、小さなロスが大きなロスになってきます。
この経費をいかにしてコントロールするかで、結果の利益に大きな違いが出てきます。
そこで、その他のコストに関しても基本的な考え方が必要になります。
その他の経費 販売管理費
フードコストとレイバーコストで売上高の約60%近い経費になってきますが、店長が管理しなくてはならない経費には、販売管理費として売上高の約10%近い経費があります。
これも店長のコストコントロール力で2〜3%近い違いが出てきます。
ここでは一般的な経費項目と注意点を簡単に説明します。
水道光熱費
水道光熱費は、F/Lコストに次ぐ大きなお店の経費です。
水の出しっぱなしや、不必要な電気のつけっぱなし、それにガスのムダ遣いなどお店ではたくさんのムダが発生しています。
特に、エアコンの温度設定などによる電気のムダ遣いなどは多くあるので注意しなくてはなりません。
消耗品費
消耗品費にはお客様が使う消耗品(客用消耗品)と、お店が使う消耗品(店用消耗品)があります。お客様が使う消耗品は、おしぼりやナプキン、それにお箸やテーブルマットといったものです。
一つひとつは大きな金額ではありませんが、チリも積もれば山となる経費です。
例えば、お客様用のお箸を従業員が使っていたりテーブルマットをメモがわりに使っているといったことです。
次にお店で使う消耗品費には、厨房内で使うフライパンやお鍋、それに包丁や清掃道具といったものまであります。
コスト管理が杜撰な店舗に共通する問題は、整理整頓ができていなく、物を大切にしていないことです。
ユニフォーム費
ユニフォームは、買取方式やリース方式によって経費の計上に若干の違いはありますが、コスト感覚的な面では消耗品費と何ら変わりありません。
やはりずさんな店舗は、更衣室に山のようにユニフォームが散乱しているので注意が必要です。
食器費
食器費はお店のオペレーションレベルと連動しています。
オペレーションの基本は、
①正確であること ②早くできること ③丁寧にできること、この3つです。
この3つがオペレーションの基本作業として身に付いていれば食器は丁寧に扱われ、経費としての食器費が高くなることはありません。
しかし、作業が雑なお店の食器費は、食器の破損率(ブレッケージ率)が高く、結果としての食器費も高くなってきます。
リネン・衛生費
ユニフォームのクリーニング費や、お店で使う各種の洗剤も使い方一つで大きな経費の違いになってきます。
クリーニングに出す必要のないものまでクリーニングに出しているお店や、洗剤を希釈しないで使っているお店は、共通してこのリネンと衛生費が高くなっているので注意しなくてはなりません。
メンテナンス費
お店が建ってからの年数にもよりますが、お店の維持管理の状態でもメンテナンス日は大きく違ってきます。
特にエアコンや冷蔵庫のフィルターの掃除をしないことによる本体の故障などは、日ごろの維持管理の状態からくるものです。
使い方一つで、7年間仕様になっているものが10年間使えたり、逆に5年しか使えなくなってしまう場合もあります。
そんな日ごろの維持管理状態でメンテナンス費は大きく違ってくるのです。
販売促進費
キャンペーンやイベント、それにチラシやクーポン券の配布といったことです。
さらには、ヘビーユーザーに対するダイレクトメールといった販促もあります。
費用対効果を考えると売上高に対する販促費の比率は、最大でも売上比の2〜3%までと考えられます。
必要な経費と思うことでも見直す!
今の時代、必要な経費と思うことでも、さらにそれを吟味することが大切です。
それは、全てをゼロベースで考え、そして、今一度見直すということです。
この活動が、お店や会社を「より良く、そして、より強く」してくれます。
しかし固定観念とは実に厄介なもので、なかなかそれを破ることが出来ません。
それは、必要と思い込んでいる自分がそこにいるからです。
これがお店や会社の成長発展を妨げています。
しかし、激変する時代は待ってはくれません。
仕事を見直すことが出来ないところから姿を消してゆきます。
変化は猛スピードで進んでいます。
待ったなしの状態であることを忘れてはなりません。
だから常に売り上げを伸ばしながら、同時に生産性を高めることを追い求めてゆく必要があります。
これが収支構造改革です。
謝辞
故五十嵐茂樹氏の生前のご厚意に深く感謝いたします。
また五十嵐由美子様におかれましてはテキストの提供ならびに掲載の許可をいただきましたこと、厚く御礼申し上げます。