お役立ちコラム

お役立ちコラム

五十嵐茂樹の情熱塾〜プロ店長養成講座【第11部】

第11部 コミュニケーション
Communication

店長として、良い成果を生むためには、あなたを支えてくれる多くのスタッフとの良い人間関係が基本となります。
我々の仕事はピープルビジネスであり、お店の人たちの笑顔は、我々のイメージの重要な部分です。
人を管理するものとしては、お店の人が笑顔を絶やさないようにする責任があります。
そのためには人の接し方に対する知識を身につけなくてはなりません。

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良い人間関係とは

良い人間関係は

良い人間関係は、良いトレーニング、良いコミュニケーション、そして、良いモチベーションの知識と技術を身につけることによって生まれます。

良い人間関係によって得られることは

  • 働く人たちのやる気が高まり生産性が向上します。
  • 働く人の退職が少なくなります。
  • Q・S・Cの向上が図れます。
  • お客様が増え売上が伸びます。

良い人間関係の店舗とは

スタッフ、そして、お客様にとって良い環境が生じることによって、働くみんなの仕事ぶりが良くなることでQ・S・Cが向上し、客数が伸び、そして、売上高も伸びるので、結果として利益が出る、儲かるお店になります。

良い人の接し方に関する6つのコツ

1. 大原則に従う

自分だったらこうしてもらいたいと思うやり方で他の人と接してください。
敬意をこめて接すれば、お店の人たちもあなたに良いように接してくれるはずです。

2. スタッフを知る

あなたの下で働いているスタッフは機械ではなく、あなたと同じ人間です。
ともに何かをはじめるには、まずスタッフのことをよく知ることから始めてください。

3. コニュニケーションを持つ

具体的に何をして欲しいのかを伝えなければ、スタッフは行動を起こせません。
それは、具体的な行動に即した言葉で、やって欲しいこと、やってほしくないことを行動が変わるまで伝え続けることです。

4. あなたが望む行動を積極的にアピールする

正しいやり方を強調してください。
スタッフが正しくやっていないことを苦にしてはいけません。
スタッフが間違ったことをやったら、間違っていることを伝えてください。
もう知っているだろうという、そんな考えが、スタッフをダメにします。

5. 明るい姿勢を見せる

自らスマイル&ハッスルで手本を示してください。
あなたが暗く、つまらなそうに仕事をしていると、スタッフも同じようになってしまいます。
リーダーはどのような状況においても、いつも明るく、目標に向かっていきいき仕事をやっていなければなりません。

6. あなたが学んだ原則を実践する

知識を得ただけでは、良い人との接し方は身につきません。
どんどん実践して経験を重ねてください。

コミュニケーションの4つの特徴

 

コミュニケーションとは、考え方の交換で、その質と量で相互の信頼関係が生まれます。
良いコミュニケーションには4つの特徴があります。

1. 良いコミュニケーションは、双方向で行われます

相手の言うことを聞こうとしなければ、自分の言いたいことも聞いてもらえません。
相手には必ず反応する時間を与えてください。

2. 良いコミュニケーションは合意が得られます

問題点と解決策について合意していないと行動の変化は起こりません。

3. 良いコミュニケーションは良い手本が必ず示されます

最大のコミュニケーションは自分がやってもらいたいことを手本で示すことです。
自らが手本を示すことで信頼関係もより高まります。

4. 良いコミュニケーションは必ずフィードバックがあります

コミュニケーションの確認は、相手の行動の変化を確認し、その結果についてフィードバックします。
※言いっぱなしは、信頼関係を失います。

勝者は日々フィードバックを欠かさない 

人は出た結果を反省材料として取り込みながら進めていくようなことには、やる気を起こします。
それは、誰でも、自分のやっていることが果たしてどのくらい成果を上げているのかを知りたいからです。
だから、いつも部下の仕事ぶりを確認し、常にフィードバックできるようにしておくことが大切です。

フィードバックこそが、部下の満足させるための、最もコスト効率のいいコミュニケーションです。
これはすぐ実行できるし、しかもあっという間に効果があがります。

あなたのやる気を示しなさい

店舗という環境の中で、お店のスタッフの人たちは、あなたが模範を示せば、その通りに行動してくれるようになります。

仮にあなたが、お店の人たちに良い手本を示し、心を込めて接すれば、必ずお店の人たちは、言った通りに行動してくれるようになるでしょう。
しかし、あなたが悪い手本を示し、自分で作ったルールを破り、お店のスタッフの人たちの接し方が悪ければ、あなたは良い結果を得ることはできないでしょう。

あなたはお店の人たちに、やる気を行動で示さなくてはなりません。
つまりお店に入る時から熱意を示し、誰に対しても親愛の情を込めて呼びかけ、良い仕事をした時はそれを認めてあげることが大切なのです。
そしてスポーツコーチのような熱意を持って、先に立って歩調を示すことです。

もしあなたが楽しく仕事をしているならば、お店の人たちも同じように楽しく仕事をするようになります。

一度やる気になったお店の人たちは、自分自身でモチベーションをあげることができるようになります。逆にモチベーションが不足すると、やる気を失わせることになります。

お店は、そんな自分自身を鏡に映し出した姿です。
つまり、自分自身の行動を変えない限り、お店は変わらないのです。
自分を変化させないで、お店を変えようなんて思ってはなりません。
どうか、より良い店舗づくりのために、お店の人たちにやる気を起こさせるような、そんなあなた自身のやる気を示してください。

[みんな笑顔]

認めることは得ること

ほとんどの人は、他の人々の前で褒めて欲しいと思っています。
この欲望は普遍的なもので、これによって人は店舗に残ったり、辞めたりします。

金銭と付加給与が、お店の人をとどめておくための重要なモチベーションであることは言うまでもありません。
しかし、我々の過去の経験において、人にモチベーションを与える上で最も重要なことは、「褒めることである」と言うのがわかっています。
良い仕事した場合に、それを認めると、認められたことによる達成感によって自分の価値を見出します。
このことが重要なモチベーションとなります。

しかし、認めることには、ポジティブなものとネガティブなものの2つがあります。
私たちは、何らかの形で「認める」と言う行為を行なっています。
お店の状態というのは、自分を鏡に写した状態です。
ポジティブな行為を認めらばそれは繰り返されますが、ネガティブな行為を認めてしまうとそれもまた繰り返されます。
つまり、お店で「やってはならない行為」に対して、何も言わないということは、悪い習慣に勢いをつけることになり、その悪い習慣が繰り返されるということです。

あなたが問題をそのままにしていると、あなたの下で働く人たちも、その問題を無視するようになります。
つまり、皆さんが認めるということは、そのことを得る、ということになります。

お客様の立場に立って、認めることと、認めてはならないことを、はっきりと明言できる、そんな店長になることを期待します。

面談の6つのコツ

面談は、相手の行動を変えたいときや、目標設定をするときの有効なコミュニケーションの手段です。
決して、一方的にならないよう、以下のコツを身につけて、相手の理解を得るようにしましょう。

1. 目的を述べる

雑談は相手を心配させるだけです。
すぐに本題に入ってください。
大切なことは、何のための話し合いかを説明することです。

2. 問題点を説明する

問題点を説明してください。
これは面談のプロセスの中で極めて重要なポイントになります。
攻撃が激しいと、それだけ守りも固くなります。
防御は問題解決にとって最大の障害となります。
必ず、反応する機会を与えてください。

3. 相手の話を聴く

相手の話を聴くときは、相手の立場に立って理解するようにしてください。
良い聞き方のテクニックは相手の話に頷く、同じ言葉で言い直す、分かりやすく言い換える。
または、沈黙などがあります。

4. 問題点に関して合意を得る

双方が問題点の存在を認めない限り、効果的な解決策を得ることはできません。
相手にその問題点をどう見ているか必ず言わせてください。

5. 相手と一緒に解決策を決める

相手と一緒に解決策を決めることが大切です。
一緒に決めることによって、問題解決に対する参画レベルが上がります。

6. 相手にまとめさせる

話し合いを終える前に必ず、フィードバックさせてください。
これによって相手が本当に理解しているかを確かめることができます。
両者が何をいつまでに行うかについて、考え違いがなく話し合いを終えることが大切です。

お店の問題点をほったらかしにしないで、お店の人たちと積極的に面談を行い、お客様にとっても、お店の人たちにとっても楽しいお店を作ってください。

良い聞き方の7つのコツ

  1. 相手の言葉をさえぎらず、最後まで必ず聞きます。
  2. なぜそうしたのかを、相手の言い分を必ず聴きます。
  3. 質問をして、相手に話す機会を必ず与えます。
  4. あいづちを打ったり、うなずいたりして好意的に聴きます。
  5. 相手の言ったことを言い、理解していることを示します。
  6. 否定的な言葉は肯定的な言葉に置き換えます。
  7. 最後に相手の言ったことをまとめ、要約し確認します。

モラルの改善

お店の人たちが絶えず楽しんで仕事をしているようにするためには、高いモラルを維持する方法を見出さなければなりません。
調査によると、モラルは次の場合最も高くなるということがわかっています。

  • 自分の仕事を重要と感じているとき!
  • 自分の仕事ぶりが認められていると感じるとき!
  • 自分たちは公平に扱われていると感じるとき!
  • 自分たちは人間らしく扱われていると感じるとき!
  • 自分たちが店舗に貢献していると感じているとき!
  • 店舗内で進歩していると感じているとき!

※他にもいろいろなことがありますが、覚えておくべき大切な点は、一人ひとりのスタッフに注目し、励まし、報わなければならないということです。
そして、お店の一員であるという気持ちにさせることです。

相手の自尊心を大切にします

人は誰でも、自分自身を大切に思い、他人から価値ある存在として認められたいという気持ちを持っています。
一人の人間として尊重されてこそ、仕事に対する意欲もわき、自分の責任を自分で果たそうという自覚も出てくるものです。
お店のスタッフは、一人ひとりが必要不可欠な人であり、大変重要な存在です。
その大切な人たちに対して、店長の毎日交わす挨拶や、日頃の勤務に対するちょっとした言葉が、相手を認める大切な会話であることを忘れないで下さい。

自尊心を高める会話の5つのコツ!

  1. 自分から挨拶をします。
  2. 必ず名前で呼びます。
  3. 日頃の勤務に感謝する言葉をかけます。
  4. 良い点を具体的にほめます。
  5. 普段の仕事ぶりを認めます。

その一言

その一言で、励まされ

その一言で、夢を持ち

その一言で、腹が立ち

その一言で、泣かされる

ほんのわずかな、一言が

不思議に大きな、力持つ

ほんのちょっとの一言で

 

7つのコミュニケーション!

1.「おはよう」「ありがとう」も立派なコミュニケーション!

毎日の挨拶の「おはよう」や「ありがとう」も立派なコミュニケーションです。
そのためには、毎日自分から進んで先に挨拶することが大切です。
また、「ありがとう」という一言は、言われた人にとって大変嬉しい言葉です。

2.元気と笑顔も立派なコミュニケーション!

元気と笑顔も立派なコミュニケーションです。
そのためには、まずは自分自身に元気と笑顔が必要になります。
その元気と笑顔が、部下を明るくし、部下を元気にします。
元気と笑顔を与える、これも立派なコミュニケーションです。

3.あなたの「やる気」も立派なコミュニケーション!

あなたが「やる気」を持ってお店の人たちに接すれば、お店の人たちも、同様に「やる気」を持って仕事に取り組んでくれます。
これも立派なコミュニケーションです。

4.「やってほしいこと」「やってほしくないこと」これを伝えること!

ただ思っているだけで口に出して言わなければ相手は何も届きません。
「やってほしいこと」「やってほしくないこと」これを言葉で伝えることです。
これはコミュニケーションの中でも基本中の基本になります。

5.ほめること、注意すること、これもコミュニケーションの基本!

仕事ぶりやルール等を観察し、良い点はほめ、悪い点は改善を促す。
これも仕事上の基本的なコミュニケーションになります。
ポイントは、仕事の内容と行動についての良し悪しをはっきりすることです。

6.相手の話を聴くこと、これも大切なコミュニケーション!

一方的に話してコミュニケーションが成立するわけではありません、
相手が理解し、合意し、はじめてコミュニケーションが成立するのです。
そのためには、相手の話を聴くことです。
これも大切なコミュニケーションの一つです。

7.言わないコミュニケーションもある!

言わないということは、良い行為であれ、悪い行為であれ、その行為を認めることになります。
だから良い行為を認めれば、それも繰り返されますが、逆に悪い行為を認めても繰り返され、今以上に悪くなります。
やってはいけないことを言わないということは、やってはいけないことを認めることになります。
これも、コミュニケーションであることを忘れないでください。


謝辞
故五十嵐茂樹氏の生前のご厚意に深く感謝いたします。
また五十嵐由美子様におかれましてはテキストの提供ならびに掲載の許可をいただきましたこと、厚く御礼申し上げます。



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